国際連合の正体

昨日に続き

国際連合の正体

戦勝国クラブとしての国際連合

第2次世界大戦の敗戦国を敵国として、他の加盟国とは異なる扱い方をする敵国条項とは国連憲章第53条、第107条のことをいう。

国連憲章第53条

安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記第52条の地域的取極又は地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基づいて地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの、又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基づいてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。

2本条1で用いる敵国という語は、第2次世界大戦中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。

国連憲章第107条

この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動で、その行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。

要するに、第2次世界大戦の敗戦国を新たな戦争を起こしかねない危険な存在だと見なして、相変わらず潜在的な敵国として扱っているのである。そして、旧敵国に対する強制措置は、実際上、国際連合のコントロールの外にあり、勝手に行って結構である。相手が旧敵国であれば、加盟国は戦争を仕掛けても差し支えないということである。今のところ国連憲章からの敵国条項の削除改正案が国連総会を通過する気配はない。国連総会は1995年、削除のための憲章改正を勧告したが、その後動きはない。敵国条項は実際、日本、ドイツ、イタリアの他にルーマニアブルガリアハンガリーフィンランドを含む7カ国が対象国となっている。

加えて、日本だけでなくドイツとイタリアを含めた当時の枢軸国が二度と軍事大国にならぬよう戦勝国によって徹底的な締め付けが行われた。例えば核不拡散条約にしても、その発想の原点は、日独伊の3カ国に核兵器を持たせるわけにはいかないというところにある。国際原子力機関も、イタリアに関してはそれほどの力がないと判断しているのだろうが、日本とドイツに対してはもっとも厳しい査察を行っている。どちらも最近は北朝鮮イラク第三世界等がらみで注目されているが、そもそもは敗戦国再軍備を抑える機能を期待して創られたのである。

国際連合が紛れもなく戦勝国のクラブであることは、どんなに国際社会の枠組みが大きく変化しようとも、安全保障理事会においてアメリカ、イギリス、フランス、ソ連現ロシア、中国の5大国が拒否権を持っていることだけ見ても明らかである。

日本は連合国とは平和条約を締結して法的に戦争を終結し、平和愛好国と認められて国際連合に昭和311956年12月18日に加盟加盟順、80番目をしたにも拘らず、敵国条項が存在し安全保障理事会で5大国が拒否権を持っている以上、日本の発言力は抑えられている。

いずれにしても、国際連合は基本的には半世紀前の戦勝国安保理常任理事国の思惑によって牛耳られているのである。